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2019.05.07更新

4月住マイスター「ホームインスペクション講座」開催レポート

4月住マイスター「ホームインスペクション講座」開催レポート

住まいの女性専門家たちが集まる「住マイスター勉強会」のまとめ役、みゆう設計室の中川です。

4月の住マイスターの会は、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会顧問、インスペクション・不動産の専門家である妹尾和江先生をお迎えして、ホームインスペクションについての勉強会を開催致しました。

今回は住マイスターのメンバーでもあるKAOKU建築設計の上嶋さとみさんが妹尾先生のお話を皆と聞きたい!と企画からファシリテーターまで行ってくれました。

ホームインスペクションとは

ホームインスペクションとは、中古住宅の建物状況を調べる「住宅診断」
海外ではかなり普及していて、アメリカでは1987年頃から増加し、現在では7〜9割の中古住宅取引の際にインスペクションを行なっているそうです。

日本は2013年に中古住宅の利用促進のために国交省のガイドラインが定められ、少しずつ浸透してはいるものの、実際に不動産売買の際に利用されるのは全流通戸数の8%しかないのだそうです。

アメリカでホームインスペクションが流通しているのは、中古住宅を購入する上での判断は買主の自己責任という意識があるから。
ちなみにアメリカではリタイアした職人さんなど、現場のことをよく分かっている人がインスペクターになることが多いのだそうです。

ホームインスペクションをする目的

ホームインスペクションにはいろんな目的や種類があります。

1、中古住宅を流通させるため。
日本は新築神話が未だにあり、壊して建て直すことで経済が回ると思われています。余剰住戸はこれから増えるばかり。中古住宅という資産を活かし流通させていくためにもその価値を明確にするためです。

2、性能向上のため
日本の木造住宅は旧耐震以前の建物が大地震に耐えられない可能性があると言われています。万が一の大地震がきたときのために、その家で過ごしていて命を守れるレベルになるために耐震診断、耐震改修が必要になります。

3、価格評価のため
不動産評価価格の算定のために劣化状況などの診断をおこなうことも。

日本は地震が多い国ですので、ホームインスペクションは建物の強度を重視することが多いそうです。

家のセルフチェック

住まいのセルフチェック

「建物の維持向上のためには、住んでいる人が自分の家を自分で守るという意識が大事」と妹尾先生は言われました。
日本は使い捨て文化。家も使い捨てで、建て替えたら経済が動くからと、本物の素材を使うより、施工がしやすく表面上美しい貼りものの素材を使うことも多いです。

アメリカのホームインスペクターは、インスペクションを行う際に住まいの使い方、メンテナンスの仕方まで指導してくれるそうです。また1年間のメンテナンス計画などの冊子もあり、住んでいる人がきちんと自分でメンテナンスをします。

イギリスでは100年経った家はぐんと建物価値があがるとのこと。
それは、長い間きちんとメンテナンスをしている証拠で、古くなるごとに価値が向上していくのです。

妹尾先生がご用意してくれたのは、家のセルフチェックシート。

日本は最近でこそDIYが普及し始めましたが、生活者が基本的に業者任せにしている傾向があります。
手入れをしていれば価値があがる家を作っていく必要がありますね!

ホームインスペクションの実務

ホームインスペクションの診断内容は
①外回り 基本的に外壁などの変色や基礎などのクラックをチェックします。
雨戸など建具は既存住宅状況調査には含まれていませんが、ホームインスペクションを行う時にはチェックしているそうです。

②室内 ドアや床、壁などからレーザーでレベルをチェックし、建物の傾きがないことをチェックします。

そのほか ③設備配管、④小屋裏、⑤床下など。

実際にインスペクションをしていると「経験」をしているから気づくこともあるそうです。小屋裏のシミが水漏れかと思いきや、小動物の糞尿のこともありますし、ミツバチの蜂の巣だったこともあるそうです。過去の雨漏りのシミなのか、今の雨漏りのシミなのか確認するためにも、小屋裏は覗いた方がいいですね、と妹尾先生。

妹尾先生が関わられているホームインスペクション協会では実践経験のための有償の合宿を行っているそうで、診断の同行経験を積むことができるそうです。

消費者がもっと賢くならなければならない

ホームインスペクションはこれからも増えていくと思いますが、診断に対する損害賠償請求も増えているそうです。
診断では雨漏りはしていないと報告されたが、雨漏りしていた・・・など。

やはりどんな業種でも(不動産でも、建設業でも・・・)信頼関係が不可欠であり、信頼を受けなければどんな仕事も生き残っていけないだろう、依頼者に寄り添うことが大事だと妹尾先生。

消費者も目先の値段や表面上の美しさに振り回されず、もっと賢くなり、良い施工者に家を建ててもらうべき。

その通りだな、と思いました。
きちんとした良い素材でしっかりと作られている古い家はたくさんありますから。今は安く、簡単に建てられる家はあるけれども、長く維持できないと思われる家もあります。

住まいを作る側がきちんとつくるだけではなく、消費者、生活者も自分の判断に責任を持てるような情報発信も必要なのではないかなと感じました。

妹尾先生のお話、たっぷり時間いっぱい。
皆真剣にお話を伺いました。

とても勉強になりました。妹尾先生、そしてファシリテーターを務めてくださった上嶋さん、参加者の皆さん、どうもありがとうございました。

次回の住マイスター勉強会は

5月の住マイスター勉強会は、わたくし、みゆう設計室の中川が今までの住マイスター勉強会を振り返り、過去の勉強会内容、講師の先生の紹介をする会を行います。

住マイスター勉強会は今年で3年目を迎えましたが、今年の年末で定期開催を終了します。タイミングが合ったら参加したいな、と思っていた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、残りの勉強会にご参加くださいね。

【日時】2019年5月22日水曜日10~12時
【会場】ママントレ芦屋オフィス 芦屋市精道町2-16 2F
【参加費】1,000円(※エリアマイスター登録されている方は500円)

申込はこちらから
https://areameister.jp/event/20190522

ぜひご参加くださいね!

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