マイナンバーの導入で起きうることって・・?

データの統合が進んでいます

昨年の1月にマイナンバーが本格的に導入され、1年になりました。
会社が行う雇用保険の手続きを始め、この年末年始の年末調整では、税務署や市役所へのマイナンバー提出が行われています。要するに、社会保障と税金について、本格的にデータの統合がされ始めたということです。
では、マイナンバーによるデータの統合がされることで、どのようなことが起きうるのでしょうか?
まずは、給付金等の併給調整が厳しくなることが考えられます。併給調整とは、同時に受給できない給付金などを、一方を支給停止したり減額することで、調整することです。今までは、自己申告により調整が行われていたため、実際は調整されるべき給付を不正に受け取ることもできていました。それが、マイナンバーによりデータ統合されることで、今受給中の給付金についての情報が確認され、併給調整がされることになると考えられます。

扶養に入れなくなることも・・?

また、社会保険の扶養に入る条件として、年収130万円未満であることが決められています。実はこの年収基準、実際は月収基準となっており、月額108,333円未満を目安とすることになっています。また、年収にはすべての収入が含まれるため、雇用保険で失業給付(基本手当)を受けていると、その金額によっては、扶養に入れないこともあります。
これも今までは「失業給付は受け取っていません」と自己申告したら、実際は給付を受けていても扶養に入ることができていました。
それが、マイナンバーによりデータ統合されると、厳しいチェックが入るようになると考えられます。

社会保険への加入にも影響する・・?

また、パートさんの社会保険加入の条件にも影響があるかもしれません。昨年10月から、従業員501人以上の会社では、月給88,000円以上のパートさんが社会保険に加入するよう条件が改正されました。(他にも週20時間以上勤務などの条件があります。)
この基準の適用は、徐々に中小企業にも広がることになっています。今の時点では、パートさんを加入させるかどうかは、会社の判断と届出によることになっています。が、マイナンバーによるデータ統合により、税務署等から年収の情報が伝わるようになると、「○○さんは社会保険に加入させてくださいね」などのお尋ねが会社に届くようになるかもしれません。
まだ、社会保険についてはマイナンバーの提出が行われていませんので、あくまで推測ではありますが、これから皆さんの生活に直接影響を与えるようになることは確かだと思います。