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社労士コラム
2016.06.25
労働契約ってどんなもの?
労働契約って?
あなたは、労働契約と聞いて、どんなものをイメージしますか? 恐らく、「会社が従業員を雇った時に交わす契約書」、そんな漠然としたイメージをお持ちなのではないでしょうか?
もちろん、このイメージは間違っていません。
ただ、「契約」ですから、そこにはお互いに守るべき約束事が発生し、お互いの権利と義務が発生するのです。
例えば、会社は従業員に労働を提供してもらう権利がある代わりに、賃金を支払う義務・従業員の安全を確保する義務があります。反対に従業員は、労働力を提供する義務があり、賃金を受け取るなどの権利をもっているのです。
そして、労働契約法という法律により、会社と従業員が対等な立場で契約を交わさなければならないとされています。
契約は書面で交わすべきもの?
では、この労働契約、書面に書いてお互いに同意のサインをしたものでなければ効力がないのでしょうか?
まず、民法においての契約は、書面でなければならないとはされていません。
口約束でも契約は契約なのです。
しかし、これが労働契約となると、話は別です。なぜなら、労働基準法により、会社が従業員を雇う時には、労働条件を書面により明示しなければならない、とされているからです。
または、雇う時に就業規則の内容を周知させている場合も、労働条件を明示したことになります。いずれの場合も、書面の形で労働条件を伝える、という点で同じです。
契約内容の変更はできるの?
では、労働契約を結び採用後、何年も経過すると、労働条件に変更が必要になること、ありますね。
その場合、会社と従業員の間で合意をすれば、労働契約を変更することができます。
ただし、就業規則に定めてある基準を下回るような変更はできません。
例えば、就業規則では1日7時間労働を定めていたとします。今まで1日6時間で勤務していた者に対し、8時間勤務への変更はできません。この場合、就業規則にある7時間を上限にして変更できるのです。
また、就業規則の内容を変更することもありますね。
その場合は、会社が一方的に、従業員に不利になるような変更をしてはいけないことになっています。例えば、休日の日数を減らしたり、労働時間を増やしたり・・・。
そういった変更は、必ず従業員に同意をもらってから行うようにしましょう。
労働契約は、「どこでどんな風に働くのか」を伝えるためのもの。後にトラブルにならないように、きちんと労働条件を伝えるようにしましょう。
この記事を書いたエリアマイスター
愛知県出身。名古屋市で税理士事務所に勤めながら、社労士の資格を取得し、開業。税理士事務所の職員として働きながら、多い時は、社労士業務で20件ほどの顧問先を担当する。給与計算や社会保険の手続きなどのアウトソーシングをはじめ、就業規則の作成・助成金申請・賃金システムの構築などのスポット業務も行う。
結婚と同時に、10年勤めた税理士事務所を退職し、神戸市に移り住む。現在は、年長と2歳の男の子の母。家事と育児に追われる中、働くママさんたちを応援するため、社労士として活動中。
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