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社労士コラム
2017.07.25
退職後は任意継続すべき?
任意継続被保険者って何?
会社を退職するとき、一つの選択を求められることがあります。それが、健康保険の任意継続被保険者になるかどうか、です。
健康保険は、会社などにお勤めしている人が加入する保険。自営業者や、退職して仕事をしていない人などは、国民健康保険に加入するのが通常です。
では、任意継続被保険者とは何でしょう?
任意継続被保険者とは、お勤めしている時と同じ健康保険に加入し続けられる、という制度です。健康保険に2ヶ月以上加入していた人であれば、退職後、最長2年間加入することができます。
国民健康保険と健康保険の任意継続の違いは?
では、国民健康保険に加入するのと、健康保険に任意継続加入するのでは、何が違うのでしょう?
まず、保険料についてです。国民健康保険は、世帯全体に対して保険料が計算されます。そのため、扶養家族が多いと、その分保険料が加算されます。
一方、健康保険の任意継続では、扶養家族は今まで同様、扶養として扱われます。そのため、余分に保険料がかかることはありません。しかし、本来の健康保険料は、会社と労働者が半々で負担するのですが、退職後は全額が自己負担になります。そのため、保険料は単純に2倍になると考えてください。
ただし、保険料計算に使う標準報酬月額に、28万円という上限が設けられています。在職中の給与が28万円以上あった方は、28万円を基に保険料を計算されることになりますので、高額な給与をもらっていた場合は、保険料が安くなることもありえます。
では、保険給付についてはどうでしょう?実は、任意継続の場合、在職中に受けられる給付金と同様の給付が受けられます。ただし、業務外の傷病に対して出る傷病手当金、産前産後休業中に出る出産手当金については、在職中から継続して受給している場合だけ、受給し続けることができます。
任意継続被保険者になるには?
では、実際に任意継続することにした場合、退職後20日以内の手続きが必要となります。住所地の管轄けんぽ協会へ、手続き書類を提出してください。退職後は何かと忙しいもの。手続きを忘れて20日が経過してしまうと、任意継続被保険者にはなれませんのでご注意ください。
また、任意継続被保険者になった場合、1日でも保険料の納付期限を過ぎると、強制的に脱退扱いとなります。任意継続をするなら、口座振替で保険料を引き落としてもらうことを、お勧めします。
ご自身にとって最適なのは、任意継続か、国民健康保険への加入か。いろいろな観点から検討して決めてくださいね。
この記事を書いたエリアマイスター
愛知県出身。名古屋市で税理士事務所に勤めながら、社労士の資格を取得し、開業。税理士事務所の職員として働きながら、多い時は、社労士業務で20件ほどの顧問先を担当する。給与計算や社会保険の手続きなどのアウトソーシングをはじめ、就業規則の作成・助成金申請・賃金システムの構築などのスポット業務も行う。
結婚と同時に、10年勤めた税理士事務所を退職し、神戸市に移り住む。現在は、年長と2歳の男の子の母。家事と育児に追われる中、働くママさんたちを応援するため、社労士として活動中。
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