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社労士コラム

2016.10.24

起業しても扶養に入れる?

起業しても扶養に入れる?

先月のコラムで、退職後に扶養に入れる基準について、お伝えしました。
近年は、起業する女性が増え、起業するために職場を退職する人も少なくありません。

そこで今回は、起業をしても扶養に入れるかどうか、についてお伝えします。

所得税における扶養とは

まず、所得税について言えば、扶養に入るとは、配偶者控除が使えるかどうか、を指します。そして、所得の金額が38万円以下であれば、扶養に入れることになります。この場合の所得とは、売上―経費で出た利益のこと。仮に
売上が150万円あったとしても、経費が120万円あれば、所得が30万円しかありませんから、扶養に入れることになります。そして、この所得は、1月から12月までの1年間で判断します。

社会保険における扶養とは

次に、社会保険についてです。社会保険とは、会社員が会社で加入する健康保険や厚生年金のこと。そして、扶養に入るとは、ご主人が払う保険料だけで、健康保険が使え、年金も支払ったことになる、ということです。
社会保険においては、年収は130万円未満であることが、扶養に入る条件となっています。

そして、起業した場合、130万円の判定は基本的に売上だけで行うことになります。実際は、売上から経費を引くこともできますが、引ける経費が限られているのです。例えば、商品の原材料費や荷造運賃など、売上を上げるた
めに欠かせない最低限度の経費だけが認められています。そのため、業種によって取り扱いが異なりますので、事前に年金事務所に問い合わせをすることをお勧めします。

国民健康保険の場合は?

では、ご主人が、国民健康保険に加入している場合は、どうでしょう?
実は、国民健康保険には、扶養という概念がありません。世帯所得に対して保険料を計算しますので、夫婦ともに自営業の場合は、お二人の収入の合計を基に、保険料を支払うことになります。
保険料の計算方法は、各自治体によって異なります。が、必ず上限が定められています。ですので、たくさん売上があがる方が得になりますし、夫婦の収入を合算できる分、得になりやすいといえるでしょう。

起業をする場合、最初から売上を確保することは、なかなか難しいもの。

それぞれのご家庭の状況で、扶養の入り方などが変わってきますので、ご参考にしてください。

この記事を書いたエリアマイスター

澤井ゆかり

澤井ゆかり

事務所HP みなとこうべ社労士事務所

愛知県出身。名古屋市で税理士事務所に勤めながら、社労士の資格を取得し、開業。税理士事務所の職員として働きながら、多い時は、社労士業務で20件ほどの顧問先を担当する。給与計算や社会保険の手続きなどのアウトソーシングをはじめ、就業規則の作成・助成金申請・賃金システムの構築などのスポット業務も行う。
結婚と同時に、10年勤めた税理士事務所を退職し、神戸市に移り住む。現在は、年長と2歳の男の子の母。家事と育児に追われる中、働くママさんたちを応援するため、社労士として活動中。
ブログ『働きすぎの女性社長さんに伝えたい「ちゃんと休んできちんと儲ける」5つの法則』

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