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2019.03.05更新

2月の住マイスター勉強会「神戸の街と、六甲山の木を繋ぐ」開催レポート

2月の住マイスター勉強会「神戸の街と、六甲山の木を繋ぐ」開催レポート

住まいの女性専門家たちが集まる「住マイスター勉強会」のまとめ役、みゆう設計室の中川です。

2月27日、シェアウッズの山崎正夫さんをお迎えして、「六甲山の木」の活用や可能性について学ぶ住マイスター勉強会を開催しました。

自分たちが暮らす地域の「木」がどのように手入れされて、どのように使われているか。
この六甲山の木を活用するというプロジェクトは私も運営メンバーの一人です。この地域で住まいづくりの仕事をしている皆さんに取り組みを知ってほしい、六甲山の木を使えることを知ってほしい、という思いもあり今回の企画を提案しました。

森と街をつなげること

シェアウッズの山崎さんは普段は木材を取り扱う事業を営まれています。
材木屋ではなく、木材の価値をつくる仕事と言えるかもしれません。

オフィスは王子公園駅すぐ近く、高架下のHASE65。
庭づくりや公園緑地のデザインをされているミドリカフェさんと共同の、木を使った手作り感のある素敵なオフィスです。

山崎さんはドイツ木材メーカーのオスモに在職中に林業・森林組合などと出会い、衰退産業となってきた山の産業を見て「地域の山と、地域の人を結び付けたい」「山を元気にしたい」と思うようになったそうです。

その後、打楽器のカホンを地域の山の木でつくる「カホンプロジェクト」をはじめ、全国でプロジェクトを展開してきました。

その後、もっと木材に価値を持たせ、森(木の供給者)と街(消費者)をつなげる仕事をするために神戸でシェアウッズでの仕事をはじめられたそうです。

六甲山の森との出会い

山崎さんは全国で森と街の人とをつなぐカホンプロジェクトを行っていましたが、神戸で仕事を行っていたのにも関わらず近くの六甲山の木のことは盲点だったそうです。

なぜかといいますと、六甲山は林業の山ではないからなのです。

1902年、当時の六甲山は木を伐採しすぎてはげ山の状態でした。
そのため土砂災害が起こりやすく、治山事業として山を整えるために300万本の植林がはじまりました。
六甲山はその後100年経って木々の緑が生い茂っています。

その六甲山の木も植林を行った後、木々はどんどん育ちました。人が手を入れて作った森だからこそ今度は人の手によって間伐が必要になってきました。

神戸市が平成24年に制定した「六甲山森林整備戦略」では、生い茂った森を整備し、間引きした木や整備で発生した木を価値のある物としてブランド化させていくというビジョンを持っています。

その「六甲山森林整備戦略」という防災事業の中で山崎さんと六甲山の木は出会いました。

地域と六甲山の木をつなげるために

「六甲山森林整備戦略」に基づいて神戸市防災部は木の活用、六甲山の木のブランド化を図ろうとしていたのですが、何しろ今までに事例の無いものだったので、まず試験的に木を山から運び出す取り組みを始めたのが2014年の春でした。

かつては輸入木材の製材でにぎわっていた神戸の製材所でしたが、現在は兵庫に1件しか製材所がありません。
その製材所、三栄さんのご協力があって、運び出した六甲山の木を製材しました。
その木を自然乾燥させて(一部は機械乾燥をして)「KOBEもりの木プロジェクト」がオシャレなスツールやカッティングボード、アクセサリーをつくるワークショップを行ってきました。

KOBEもりの木プロジェクト:神戸市公園緑化公園、シェアウッズ、スマイルプロジェクトではじめた、六甲山の木を活用させるプロジェクト。
六甲山森林整備戦略に基づき、六甲山の木の手入れの必要性を伝え
六甲山の木をブランド化させて活用する活動。

 

六甲山鉛筆

当時は市有林の木から始まったため販売などは難しかったのですが、その後、民有林である裏六甲の唐櫃地区の方々が間伐する木を山崎さんが引き受けることになり、六甲山材の商品を展開することが可能になりました。

今回の勉強会でもスツールや六甲山鉛筆などを見せて頂きました。
参加者の方ですでに購入して使われている方も!!
六甲山のすぎで作られた「六甲山鉛筆」は軽くてとても書きやすいのだそうです。

循環する神戸へ

KOBEもりの木プロジェクトからスタートした六甲山の木の活用でしたが、山崎さんはその後兵庫津にある「マルナカ工作所」で神戸というローカルのものづくりの仕組みづくりをはじめました。
製材所である三栄さんの近くでもある元々船大工さんの造船所だった工房を引き受け、兵庫の津をものづくりで盛り上げています。

製材されてきた木材を加工し、ストックし、DIYできるマルナカ工作所。
少しずつ認知されてきて、六甲山の木も少しずつ流通してきました。

今では神戸市役所の1階ロビーのベンチ、須磨離宮公園のレストラン内装などに六甲山の木が使用されています。また、メリケンパークのスターバックスのカウンターの木も六甲山の木が使われていますよ!

六甲山の木を活用する取り組みから始まり、神戸大学のキャンパス内で伐採した木の活用、街路樹の活用なども始めています。
何でも受け入れられるわけではなく、活用には費用がかかるので金銭的なサポートが必要なのが現実ではあります。

それでも、木をただ処分するのではなく、使われることで手入れが必要であることを「認知」してもらう。山と街をつなげるためには費用がかかっても「認知してもらうための活動」が必要なのです。

この取り組みを通じて、山と海と街をつなぐ。
循環する神戸をつくる。

小さい活動のようですが、とても大きなビジョンをもった取り組みなのです。

六甲山の木のこと、興味を持って下さった方に

参加者の皆さんは山崎さんの活動や六甲山の木に興味津々で「地元の木を使う方法」や「六甲山ともっと関わる方法」などたくさんの質問があがりました。

山崎さんからのお知らせです!
六甲山の木のことに興味を持って下さった皆様、ぜひ兵庫津にある「ものづくり拠点」マルナカ工作所に訪れてみてください。
3月21日にマルナカ工作所で木材市を開催します。

ホームセンターで木を買う方が簡単だけれども、地元の森を手入れした木を使うことができるのです。

六甲山の木や、兵庫津を感じるのも楽しいと思いますよ!

今回の勉強会はKOBEもりの木プロジェクトにもご協力頂きました。
どうもありがとうございました。

シェアウッズ:http://www.share-woods.jp/
KOBEもりの木プロジェクト:https://www.kobe-park.or.jp/rokkosan/project/
マルナカ工作所:http://marunaka-factory.com/

3月の勉強会は!

3月の勉強会はママントレ芦屋オフィスから飛び出して、大阪でインテリアショールーム巡りをします。ファシリテーターは住マイスターメンバーでもある「建築工房arte」の吉田千鶴子さん。

第21回住マイスター勉強会「インテリアショールームを巡る会」
建築工房arte http://arte-cs.com/

第21回住マイスター勉強会

【日時】2019年3月26日火曜日10~12時
【会場】C-FOREST 大阪市中央区南本町2-2-2 6F
Euromobil 大阪市中央区南本町2-2-2 5F
【参加費】3,000円(※エリアマイスター登録されている方は1,500円)

申込はこちらから
https://areameister.jp/event/20190326

ぜひご参加くださいね!

お気軽にお問い合わせください。

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